【少子高齢化】田舎暮らしの病院事情【選べない】

生活

こんにちは。Laurier(ローリエ)です。

僕は現在人口8万人程の田舎の病院で看護師をしています。

陸の孤島のような田舎であり、隣の大きい街に行くには最低でも車で1時間はかかる場所に住んでいます。

以前は同じ市内で他の病院で働いており、僕の住む田舎の主要の急性期病院2件のうち、どちらも経験しています。

これらから、僕が住むような田舎の病院事情を知っている方だと思っています。

今回は僕が知っている田舎の病院事情を語っていきます。

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田舎の病院は人手不足

田舎の病院は人手不足です。

これは日本全国どこでも言えることではあります。

看護師や理学療法士、検査技師などは元々地元の人が学校に学びに出てから戻ってきて働くという人が多いため、定着することは多いです。

それでもある一定数は辞めていくため、スタッフは常に足りておらず、仕事も忙しいです。

また、地方医療の医師不足は深刻で、転勤で田舎に来てもなかなか定住する医師がいないのが現状です。

田舎に来ても早いと1年、長くて3〜5年で他の病院に移っていく医師が多いです。

そのため、大きな病院にかかりつけ医を持っても、同じ医師に長く継続して診つづけてもらうことは難しいです。

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田舎の救急医療

田舎の病院にも救急医療はありますが、大学病院などの高度で専門的な医療機関はまずありません。

僕の住んでいるような隣街まで車で1時間以上かかるような田舎でも同様です。

高度な医療ができる専門的な医師が常駐していたりはしますが、設備が揃っていないなどの理由で治療できないなんてこともあります。

救急で運ばれてきても僕の住んでいるような田舎では対処できないなどの理由で、隣の町までヘリや救急車で搬送することもそこそこあります。

また、田舎では救急医療をできる病院は限られており、「病院を選ぶ」なんてことはまずはできないと思っていたほうが良いでしょう。

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採算が取れず市が運営しているところもある

日本の病院の約半分は赤字経営だと言われています。

国家予算でも医療費は多くを占めるため、医療費は削減されている傾向にあります。

しかしながら、少子高齢化が進んでいる現代の日本では高齢者の増加により、必要な医療は増え続けています。

高齢化するにつれ、一人あたりにかかる医療費は次第に増していき、高齢者にかかる医療費は若者の医療費の5倍かかっていると言われています。

需要(高齢者)が増え続けているのに、供給(資金)を減らそうとすれば、当然病院の経営は傾きます。

医療は生活に欠かせないインフラです。

病院がないというのはそこに住んでいる市民にとっては死活問題であり、そういった街では暮らしていけません。

このことから、赤字で経営し続けることができなくなった病院は市町村の存続のために市町村からの援助を受け、市民病院として市の経営で存続し続けるしかなくなります。

僕の住む田舎ではまだ市民病院化はしていませんが、実際に隣のさらに小さい町では市が運営しているところがあります。

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家族が遠方に住んでいる高齢者世帯が多い

僕が住んでいるような田舎では、若い人は出稼ぎのために親を田舎に残して、東京などの都会に出ていってしまっている人が多いです。

そのため、若い人が減り、少子高齢化の波が都会に比べ早く来ている実感があります。

実際に僕は看護師をしていて、入院患者では80歳以上〜90代がかなりを占め、70代と聞くだけで若く感じます。

地域では高齢者で独居だったり、高齢の夫婦で暮らしている人が多くいます。

高齢者だけでの生活は次第に病気や認知症の進行などにより立ち行かなくなります。

孤独死や自宅で倒れて何日も動けなくなっていたなんて話もよくあります。

また、都会に出た子供としばらく会わないうちに急激に病気や認知症の悪化が進み、変わり果てた親の姿をみて驚くなんてこともあります。

入院しても病気の急激な悪化などにより、遠方に暮らしている子供や孫が親の死に目に会えないなんてこともあります。

入院患者で病気や認知症の進行により自宅へ帰ることは困難となり、施設への入所を考えなければならない人もいます。

しかし、施設への入所も月に30万円ほどかかるため、都会に住んでいる高齢者の子供の家で介護をしていくなんて事例もあります。

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最後に

以上が僕が田舎で看護師をしていて感じている病院事情です。

この記事を通して、田舎での病院の実情を少しでも多くの方に知っていただけると幸いです。

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